ホーム > オフマガ ニュース一覧 > コクヨ独自のインクルーシブなものづくりプロセス「HOWS DESIGN(ハウズデザイン)」セミナー開催
コクヨ㈱は12月3日、THE CAMPUS(コクヨ 品川オフィス)で、同社のCSV活動の最新動向を紹介するミニセミナーを開催。
同日には、社会課題解決を考える社内イベント「サステナブルアカデミア」を催した。
イベントテーマは、「ダイバーシティ&インクルージョン&イノベーション」。
障がいを知り、社会のバリアに配慮しながら、イノベーションにつなげるためのヒントを様々なプログラムを通じて学び、考える。
同社では2021年2月に長期ビジョンCCC2030を策定し、森林経営モデルにより2030年に売上高5000億円を目指す。長期ビジョンを実現する上で最大のテーマは、サステナブルに成長していく多様な事業の集合体になること。そして、その先の「自律協働社会」の実現に向けて、「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」というパーパスを掲げている。
また、コクヨ流のインクルーシブデザインのプロセス「ハウズデザイン」は、マテリアリティの一つに「社内外のWell―beingの向上」を掲げる。その具体的なアクションの一つが、インクルーシブ。障がいを持つ方を始め、社会の様々なバリアに阻まれている当事者に、製品デザインの初期段階から参画してもらう。
この「ハウズデザイン」において、新シリーズ上市率が28%に達し、2024年の目標としていた上市率20%を超えた。2030年には50%以上を掲げている。
これらの事業を通じて社会課題を解決することで経済価値と社会価値の両立の実現を目指している。
CSV活動の現状について執行役員・監査委員会室長兼CSV本部長の梅田直孝氏は「お客様のニーズに応えるということは、その時の困り事を社会課題として捉えて解決していくこと。社会の多様化するニーズに応えていくことがコクヨの存在価値。そうあり続ける事がサステナビティの考え方の根本。多様性を認め合い、受け入れること、その中で新しいものが生まれる。『社会のバリアを減らす』事で、商品という形になる」と述べた。
2023年6月からインクルージブデザインの実験ラボ「ハウズパーク」を本格始動。コクヨは特例子会社・コクヨKハートや多様な社外の仲間とともに、インクルーシブデザインによって社会のバリアを発見し、誰もが自分らしくいられる社会をつくることを目指した。
サステナビリティ推進室理事・井田幸男氏は、ハウズデザインについて「一般的にはマスセグメントを狙って商品開発する。ここでは、今までは開発の対象にならなかった小さなセグメントの意見を聞き、我々も気付かない『づらさ』を気付かせてくれる。 それをマスに戻すと社会システムとして良くなっていくことに実験を重ねて気付いた」と述べた。
また、ハウズデザインを取り入れた商品を紹介した。業界初『傾斜インサート』を搭載し、利き手を問わず切りやすい「ハサミ〈サクサ〉」シリーズをリニューアル。
カフェチェアー「ヘミング」は、座り心地だけでなく、椅子を引く、立ち上がるといった動作の使い心地に着目することで、手足に不自由のある方にも使いやすくしている。
「持ちやすいバンド付きIDカードホルダー」は、上肢障がいユーザーの「ホルダーが掴みづらい」という課題から、手を入れる・掴む・引っかけるなど多様な持ち方に対応するバンドを開発した。
さらに環境配慮の観点から、これまでプラスチック製のブリスターパックを採用していた金属文具を中心に、紙パッケージに切り替えていく。これは多様なお客様に商品の価値が伝わりやすいパッケージを目指し、多言語表示や音声で情報を認識できる「アクセシブルコード」を文具業界で初めて採用したという。
執行役員・監査委員会室長兼CSV本部長 梅田直孝氏 |
サステナビリティ推進室理事・井田幸男氏 |
業界初『傾斜インサート』を搭載し、利き手を問わず切りやすい「ハサミ〈サクサ〉」シリーズをリニューアル |
カフェチェアー「ヘミング」は、座り心地だけでなく、椅子を引く、立ち上がるといった動作の使い心地に着目することで、手足に不自由のある方にも使いやすくした |
「持ちやすいバンド付きIDカードホルダー」は、上肢障がいユーザーの「ホルダーが掴みづらい」という課題から、手を入れる・掴む・引っかけるなど多様な持ち方に対応するバンドを開発 |
環境配慮の観点から、これまでプラスチック製のブリスターパックを採用していた金属文具を中心に、紙パッケージに切り替えていく。これは多様なお客様に商品の価値が伝わりやすいパッケージを目指し、多言語表示や音声で情報を認識できる「アクセシブルコード」を文具業界で初めて採用した |