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和紙を綴じた雑記帳は古くから使われていたが、洋紙を使った大学ノートがわが国で製造・販売された最初は、今から百年以上前の明治17年のこと。当時、東京帝国大学(現東京大学)前にあった松屋が、洋行帰りの大学教授のすすめによって製造を始めたという。
明治末期から大正時代にかけて洋紙の製造法が改良され、大学ノートの品質も向上して需要が増大していった。そして永らく毛表紙の大学ノートがノートの代表として親しまれてきたが、最近では影が薄くなりつつある。ファンシーノートやバインダーノートに人気が移っている上、普通のノートでも色刷り表紙、スパイラルリング綴じのものが増えた。
動物写真の表紙などで人気のある学習帳は、昭和55年度に一大転換期を迎えている。この年に小学校低学年を中心に教科書サイズがA5判からB5判へと大型化した(一部では既に53年度から実施された)。これに伴って学習帳もB5判のものの需要が増えた。昭和52年には40%だったB5判学習帳が同55年度には59%、平成4年度にはなんと94%に。学習指導要領改訂の影響は大きい。